神亀(しんかめ)という酒に衝撃を受けた
取引先にいつもは接待というわけではないが、軽い飲み会に誘われることが多かった。
今日はうちが描いてなのだが、取引先を誘って忘年会をした。
いつもはこちらが客だが今日は向こうが客になるのだ。
私が一番下っ端のため、酒や食事を頼む係になる。
頼む酒は部長や取引先の部長が中心となって選ぶ。
私は部長に言われた酒を頼みながらこう思った。
「おちょこで注ぎまくるのめんどいから日本酒やめれや」
「真ん中らへんの価格帯に集中させないで飲みたいの飲めや」
と。取引先はいつもは売り手の立場のため、うまいこと無難に済まそうとする。
取引先は3人で来ていただいたが、先方の下っ端は私よりかなり年下で私が中心で注文を取ると、そわそわしてしまう感じだ。
いろいろ無理がある飲み会だな・・・と思いながらオーダーを取っていく。
そして頼まれる酒・・
「埼玉の酒、神亀」
神亀が運ばれてくる。
私にも注がれる。
飲む・・・
!!!
ちょっとビックリしたのだ。
めちゃくちゃ旨い。
大吟醸とかそういうクラスでもないので、割としっかりとまったりした味なのだが、個性的なのである。
カビとは言わないが、蔵というかそういう香りがドライ系の日本酒の中に潜んでいて、それがドンピシャでハマるのだ。
なんだこれは!と部長に問うてしまったくらいである。
日本酒は私の先入観で、山田錦系の精米歩合も50をどこまで割れるかのクラスの大吟醸が素晴らしいと思ったが、ここまで個性的な味わいがあれば十分勝負できるんだな、と感心してしまった。
ちなみに私にとっては八海山より好きな味だった。
なにより個性的だからだ
クリスマスも近いし、自分へのご褒美いくかこれ!と思ったが、Amazonで見てみると一升瓶で3300円。
残念ながら購入には至らなかった。
あまり会社関連の飲み会はなにも収穫もないし、気を使うだけで嫌だったが、今回はいい酒を知ることが出来たな、と思った瞬間だ。
ちなみに私は下っ端なのだが、皆の酒は適当に日本酒を2号瓶4本とかぶち込み、自分の分は焼酎にカクテルに気になる物を片っ端から頼んで、日本酒とチャンポンしていたので、明日は部長課長から怒られることだろう。
神亀、埼玉とか日本酒おいしくなさそうな地域の酒だが、この個性派はほんと圧倒的なものを感じた。
以上