30代が何かしらで日常を楽しくしようと必死なブログ

これまでやってきたことのまとめ。これからやることを決めたり、経過を記入するブログ。

会社の人事ローテーションってすごい。知識レベルが上がりまくる

日本の会社の人事ローテーションは、アメリカなどからすれば「ありえない」といわれる、なんて聞いたことがある。
なんでもかんでも一人の人間に覚えさせるのではなく業務範囲を絞り、その業務を専門的にやらせるのがアメリカの普通だとか。

しかし人事ローテーションはすごい可能性を持っていると思っている。
通常の数倍の知識量を持たせて、圧倒的な調整力に繋げたり、各部門に自浄作用を持たせるのと同じなのかもしれないのだ。

私は以前人事の仕事をしていた。
リクナビマイナビのページを作り、ダイレクトメールや広告、大学訪問などでエントリーを募り、新卒採用で説明会を行い、面接をし、入社後の基本教育までしていた。

すると学生から問われる。

学生「御社の営業はどんな仕事内容なんですか?」
学生「技術職と研究開発職の違いはなんですか?」
学生「購買はどのような仕事内容ですか?」

聞きかじった知識しかないので、他の部門から聞いたことをそのまま話す。

苦労する点や面白い点、日常に応用できる知識がつくかなどは詳しく話すことができない。

「エピソード」がないありきたりな回答で面白くない広がりのない話になる。


その後、私は人事ローテーションで購買業務に移った。

購買で業務をしていくと・・・
・取引先営業が売り込みに来る。価格交渉をする。日常業務で関わるため営業の仕事が見えてくる。
どんな営業マンが信頼出来るかもわかる。

・技術や研究開発と仕事をすることが多く、どんな仕事をしているかが見えてくる。
技術関連に適正がある人がおぼろげながら見える。

・購買業務はどんな苦労や楽しさがあり、日常に役立つ知識がつくことを伝えられる。
車1台買うだけで普通に買うより数万円は差を付けられると思う。

更に購買の視点では、人事で培った「人件費」の感覚が活きてくる。

外注業者に仕事を依頼、見積もりして貰うとき、それが妥当な価格か、人件費面は完璧に見ることができるのだ。

おそらく畑違いの3部門ほどを経験した人は、一つの仕事をし続けている人とは、人脈、閃き、知識の面でかなりの差をつけている。(その分、異動したばかりのときは尋常じゃなく覚えることが多くて大変な思いをすると思う)


また、他の部門から人が来ると、今までのその部門で「当たり前」とされていた間違ったことが正される可能性もある。社内の自浄作用になるのだ。


私が購買に来たとき、データが紙ファイル、会社のサーバー、個人PCフォルダ内とめちゃくちゃに入っていて、材料の価格表の場所すらわからなかった。

仕事が完全に人についていて、他の人がフォロー出来ない状態だ。まさにすべての仕事は「担当しかわからない」。
知ろうともしない状態だった。

当然異動後、私は仕事をうまく引き継いでもらえない。購買実績一覧の紙と、各拠点で動いている材料変更の情報を貰っただけだった。
このあたりは徹底的に正した(自分が楽をしたかっただけだが)

ただし、ローテーションは社員の勤続年数が長いときのみ有効という欠点はある。


他部門を経験することはこれだけ得る物が多いので、一時的にどこかの部署に教育の一環として半年なり行ってもらうのは良いのかもしれない。

どこの部門も人がいないから、人を出せない・教える余裕は無い、と社内から反発が出るのは明らかだが、結構な部署にサボってばかりで働いてない人がいるので、その人をどうするかがキーなのだと思う。

ローテーションの力は侮れない。
(仕事辞めたがってある人も異動があれば留まるかもしれない。反対に異動で辞める人がいるかもしれない)

ローテーションを計画的に行っているか、というのは長期的な社内の教育を考えているかどうかに等しいと思われる。


以上