人前で話すのはいつまで経っても慣れない(プレゼン実践編)
上記の続きだ。
夕方からのプレゼンが待ち構えている中、私は本社を出る。
持ち物に間違いがないか、きちんと確認してから。
運よく課長が会議で席を外していたため、かなり早めに会社を出ることが出来た。
移動中、念願の自由時間だ。
ブログを一つ書き、どこのラーメン屋に行こうか考える。
そしてラーメンを食べる。
私は塩分と脂を摂ると喉の状態があまり宜しくなくなってしまう。
だがしかし、本社のある超オフィス街とは違い、今日行く場所は溢れんばかりのラーメン屋があるのだ。
自由時間になった瞬間、楽しさが止まらず、もっともコッテリしててしょっぱい「家系ラーメン」を食べてしまった。
そして会議室には1時間30分前に入った。
当日の内容は3本立てだ。
順序は①別部門の後輩が講師のセミナー、②私が説明者の対外向け資料についての説明
少し休憩を挟み③別部門で行うセミナーとなる。
別部門の後輩のすぐ後に私の出番がある。
後輩はまだ到着していないので、寝て待つ。
本当に45分くらい熟睡するのである。のど飴を舐めながら一応喉の調子を整えておく。
喉が悪いときちんと発声することに意識が取られて、言葉が思い浮かばなくなるからだ。
(ならラーメンを食べるな・・・という気もしてくる)
設営後、時間近くなり人が集まり始める。
聞いていた人数は20人ほどだった。
みるみる席が埋まり、追加でイス、机を用意しまくる。
(おいおい、資料全然足りないぞ・・・)
結局、40人弱が集まり講義が始まる。
時間配分は後輩が1時間、私が30分だ。
講義が始まると講師紹介、それが終わったら、私は即ダッシュだ。
資料が20部近く足りないのだ。事前に聞いていた参加人数に騙された。
その建物の別部門で印刷をお願いする。
そして素早く会議室に戻る。
人前で話すのは嫌だが、40分以上時間はあり、緊張はまだしない。
その時にしておくことがある。
「ひたすら会議室内で場になじむこと」
会議室にずっといることで場の雰囲気に馴染んでいき、緊張感が薄れることを知っているからだ。
そして出席者の顔を見て、見慣れておくことも忘れない。
細かな緊張和らげ動作は全部やっておくにこしたことはないのだ。
後は後輩の講義を聞いている。
・・・
・・・・・もう一時間近くなんだが、PowerPointは8割くらいしか終わっていない。
むむむっ。こいつは時間オーバーや!かましおったな!!
後輩のプレゼンでは設問を出席者に回答してもらう。
回答後に解説をする、という出席者が集中力を保ちやすくする工夫だ。
だが、詳しく聞きたがるオッチャンが多い。
解説をすると、「こんなケースだとどうなるの?」
「じゃあこのケースは?」と質問が流れる。
正直なところ、こういう双方向の講義は素晴らしいと思う。
プレゼンテーターは質問しやすい雰囲気が作れており、出席者も知りたい気持ちをもっているという最高の空気感だ。
時間がおしていなければ!!
大丈夫か・・・と内心ヒヤヒヤする。
私の後にも講義があるため、休憩・人の入れ替え時間が取れなくなるため、時間オーバーするわけにはいかないのだ。
途中、後輩が出題に対して、出席者に考えてもらう時間を取る度に「すいませんすいません」と謝ってくる。
時間オーバーをかなり気にしているようだ。
時間ないことを前面に出して講義をすると、聞いている側が絶対に集中できないことを私は知っている
。
なので「俺の時間はゼロ分でも大丈夫よ」と伝える。
・・・自分でいうのも何だがすごくカッコいい先輩である。
ちなみに本気でそう思って言っている。
そして、後輩の講義が終わる。
所要時間1時間25分。
私に与えられたら時間は30分から5分まで短縮されてしまったのである。
しかし人間追い詰められるととてつもない集中力を発揮する。
1時間15分を過ぎたあたりから、私の持ち時間なんてほぼゼロに等しいだろうな、と思っていた。
だから「絶対に伝えるべき箇所」だけを絞りこんで、PCにまとめ始めていた。
ここをこのくらい説明して、こことここをこんな感じにすれば、あまりに飛ばしまくりだけど、主旨は入って行くだろうな・・・とおおよそが形に出来るのだ。
で、これを出席者にはやってほしいから、すっ飛ばしてこれをやるべし、と伝える。
後は終了時に「説明が終わって、オフィスの席に戻ったら、必ずザっと資料を読み直してください」と伝えてなんとかごまかすか・・・と。
そうすれば、たぶん5分から7分で終わる。あとは時計を見ながら、急ぎ度を変えれば良い。
腹は固まった。
モヤモヤっと「嫌だなー」と思いながら、プレゼンをするよりはずっと気合が入っていたと思う。
そして、プレゼン開始。
自分がだれか、の挨拶も早々に、まずは「今日の趣旨とゴール地点」を伝える。
もう用意してきた資料は最初から飛ばしまくりだ。
スタートの瞬間は時間を気にしすぎた。
自分の舌と喉が温まっていなく、焦りもあり、少し噛みつつの進行になってしまった。
やばい・・このパターンはじんわりと汗をかき、更に緊張が高まり、早々に全内容をすっ飛ばしてプレゼンを切り上げたくなるパターンだ・・・
と思いきや、短時間で言わないといけないことが多すぎて、そう緊張を感じる余裕もなく、集中力が高まっていく。
ぐいぐい内容に入る。
・会社はこういうことをしようとしている
・なぜならばこういう理由だ
・だから皆さんには確認しておきたい
・そして意見があったらほしい
ある程度読み進めたら完全に安定した。
内容は時間の関係で完全に不足だったと思うが、声はきちんと出た。
内容よりも自分がプレゼンの場で堂々と話せたか、と自分目線だけで思うと、開始1分後以降は合格だった。
場の雰囲気を1時間かけて体に馴染ませたこと、人の顔を何回も見て慣れておいたこと、後輩が双方向の講義をしたので場も馴染んでいたことが理由か。
おおよそ、7分ほどで説明は終了し、明らかに内容は省きまくったが、どえらいヤバさではなかったと思われる。
一つ、プレゼンは「緊張している暇もない」というレベルに追い込まれると、とてつもない集中力でなんとかなる可能性を持っていることがわかった。
かといって、もう人前で話すのはコリゴリである。