リオオリンピック「柔道」の試合を見ていて疑問が出てきたので柔道を調べてみた。
昨日夜、リオオリンピックの柔道の試合を見ていた。
そして結構な疑問が浮かんできたのだ。
柔道家が組み合って投げようとする。その結果、倒れ込む。
ここまではいつもの通りな気がした。
だが、その次にすごい違和感があった。
体勢が崩された相手は床で、うつ伏せになって耐えるのである。
こんな感じにだ。(人間で使いやすい画像が見つからずパンダになってしまった。)
そしてもう一方の有利な体勢のほうが、そのうつ伏せを必死でひっくり返そうとしているのだ。
私は柔道に関しては素人であり、中学と高校の授業でしか柔道はやっていないがここについてなんとも理解しがたいと思った。
「この体勢になったらそもそも負けじゃないか?」と思ったのだ。
後頭部と脊椎という2大弱点を完全にさらけ出しているのである。
総合格闘技のように「興行」でなく、あくまで「武道でありスポーツ」のため、そうなのかもしれないが、「特定の技」を仕掛けるために、うつ伏せという超無防備の体勢の相手をひっくり返そうとして失敗して時間を消費しているのだ。
正直なところ、柔道は戦国時代かなんらかから発達した武道だと思っていたため、ここまで非合理的なことをしているのが信じられなかった。
(もし戦国時代なら、投げられた後にこんなポーズを取った瞬間、死んでいるだろうと思ったのだ。)
気になりすぎて、柔道っていったいなんなんだろう、と思って調べることにしてみた。
■柔道について
古武道の柔術から発展した武道で、投げ技、固め技、当身技を主体とした技法を持つ。
今日ではスポーツ競技・格闘技にも分類されるが、講道館柔道においては「精力善用」「自他共栄」を基本理念とし、競技における単なる勝利至上主義ではなく、身体・精神の鍛錬と教育を目的としている。
古くは、12世紀以降の武家社会の中で武芸十八般と言われた武士の合戦時の技芸である武芸が成立し、戦国時代が終わって江戸時代にその中から武術の一つとして柔術が発展した。
学校の授業では
日本の学校教育においては、1898年に旧制中学校の課外授業に柔術が導入された際、柔道も、必修の正課になった。太平洋戦争後、占領軍(GHQ)により学校で柔道の教授が禁止されて以降、武道は一度禁止されたが、昭和25年(1950年)に文部省の新制中学校の選択科目に柔道が採用された。次いで昭和28年(1953年)の学習指導要領で、柔道、剣道、相撲が「格技」という名称で正課の授業とされた。
警察の柔道
日本の警察官は柔道又は剣道(女性のみ又は合気道)が必修科目となっている。警察学校入学時に無段者の場合、在校中に初段をとるようにしなければならない。
とのことらしい。
オリンピックの柔道
■階級はどうなっているのか
男:60kg以下、66kg以下、73kg以下、81kg以下、90kg以下、100kg以下、100kg超
女:48kg以下、52kg以下、57kg以下、63kg以下、70kg以下、78kg以下、78kg超
■技はどんなものがあるか
・投げ技「67本」
⇒背負い投げのような手技15本
⇒払い腰のような腰技11本
⇒内股のような足技21本
⇒巴投げのような真捨身技(ますてみわざ)5本
⇒横落としのような横捨身技(よこすてみわざ)15本
・固め技「29本」
⇒上四方固のような抑込み技7本
⇒三角締めのような絞め技12本
⇒腕挫十字固のような関節技10本
・・・絞め技などは「道着」を使っていなければ反則になってしまうとのこと。
■禁止技について
・フロントチョークはダメらしい
・蟹挟み、胴絞め(胴体蟹挟み)もダメとのこと
・河津掛けも後頭部を打ち込むためダメとのこと
・・・チョークスリーパーに近しい、裸締めはありなのか。
■どうやったら勝ちか
・一本
投げ技等において「相手を制しながら相当な『強さ』と『速さ』をもって、『背中が大きく畳につくように』投げたとき」
又は、先に「技あり」ポイントを持った状態で一本規定のどれか1つが欠けた、「技あり規定をクリアしたとき」
抑え込みにおいて「25秒間抑え込んだとき」、又は、先に「技あり」ポイントを持った状態で抑え込みにおいて「20秒間抑え込んだとき」
絞め技、関節技等において「相手が発声または合図によって、『参った』を表明したとき」
・技あり
投げ技等において「相手を制して投げ、一本の条件のうち、『速さ』、『強さ』、『背中が大きく畳につく』のどれか一つが部分的に欠けたとき」
抑え込みにおいて「20秒以上25秒未満抑え込んだとき」
・有効
いま少しで「技あり」となるような技のあったとき。
抑え込みで15~19秒抑え込んだとき(国際ルール)
段位と帯の色について
四級以下:白帯
三級から一級:茶帯
初段から五段:黒帯
六段から八段:紅白帯
九段から十段:紅(赤)帯
※六段以上は黒帯でも構わない。
つまりは、本格的な武術だったものが、学校やスポーツ、オリンピックのような興行用途に使われるにあたって、危険を排除し続けた結果が今の柔道になっている模様。
それでも体育の授業で大けがが頻発しているから、更に規制がかかっていくのだろう。
これからも当面オリンピックで柔道は注目されるだろうが、そのたびにうつ伏せだったり、亀状態になった相手をひっくり返す動きを見なければならないとなると、ちょっと悲しいのである。
以上