電話がないと自分のペースで仕事出来る
仕事に電話は付き物だ！なんていうと、もしかしたら遅れた仕事観の人間なのかもしれない。
私は「相手の時間と臭有力を確実に奪う」という観点で電話は大嫌いだ。
私は購買の仕事をしている。要はメーカーで製造するために必要な材料を色んな会社から買う仕事だ。
それはゴムだったり、プラスチックだったりオイルだったりカーボンだったり。
ときにはシリコーンやアルミも買う。購買の仕事はとにかく突発的な対応に追われる。なぜ突発的な対応に追われるかというと、一人の人間に過剰な範囲な仕事がまかされるからだ。これは会社の仕事の振り方の問題である。
100社を一人で担当すると、毎日どこかしら炎上する、という理屈だ。
100人の学生がいたらだれかは遅刻する、というイメージに近い。
そして過剰な仕事がまかされるとどうなるかというと・・・
「電話で仕事が阻害される」
最近はこう思っている。
まさに思う。緊急時以外の電話は悪、と。
電話というのは相手の仕事を完全に中断させ、自分の意見だけを押し通すツールである。鳴れば取らないとならない文化がある。しかもワンコールで取るのが日本の文化だ。また、取らなければすかさずほかの人が電話を取り、否応なく転送されてくる。
そして電話に出る。大した用事かもしれないし、大したことない用事かもしれない。
しかし8割は大したことない用事だ。それを「自分の仕事だけは優先してやってほしい人」が率先して電話を使ってくる。特に40代～50代だ。どんな大したことない用事でも「俺の仕事、やってね」と電話をかけてくる。
その後放置していても本人すら忘れていて催促も来ないような仕事を、だ。
ちなみに特に50代は「どんなアクションをした後も電話でフォローをしなければならない」と教えられてきている世代。
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その後、電話を終えて自分の仕事に戻る・・・・すると。
・・・・あれ？なにをどこまで考えてたっけ？？？完全に元の集中モードに戻るまでには2～3分はかかる。
10分～20分したらまた電話が鳴り、振り出しに戻る。
これを1日に何回繰り返すかというと10回以上繰り返す。そうなると難易度の高い考えまとめるなんてことは間違いなくできない。
私が思う購買の仕事の最高峰は「価格交渉」だ。要は今まで1000円で買っていたものを、頭を捻って980円で買えるようにする仕事。これは純粋に会社の利益が20円増えるということ。効果は絶大だが、通常、相手は値下げに対してYESとは言わない。なぜなら相手は営業。売上と利益がノルマになっていて、減ると上司から怒られるからだ。
そのため例えばカーボンを購入するとしても異常なまでの情報収集をし、価格交渉に臨まなくてはならない。
・原油価格（前回価格改定したときの原油価格と現状と今後）
・コークスの価格を見るための鉄鋼系高炉の稼働状況
・影響する自動車向けの鉄の薄板の出荷状況
・国際的な輸入・輸出価格
・商社から聞いた情報
・弊社の購入数と今後の伸びのフォーキャスト
・価格交渉相手の会社の採算状況
・価格交渉相手の会社のライバル会社の採算状況
・為替と為替見通し
・弊社が購買できるカーボン会社が何社か
・よく使う業界（タイヤやカーボン種により電極）の稼働状況
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ざっくり考えてもこんなにある。これらの数字を把握して「ストーリーを組み立てる」。
また相手営業マンがエキスパートなら、更に「こうきたらこう返す」といったシミュレーションをしておく。使用部門に「この会社の供給が2ヶ月止まっても大丈夫か」「数か月多めに購入しておき数か月買わないのは有り？」などを確認しておかなければならない。
更に相手会社の上司を引き出し、値下げすることのメリットを説く必要がある。そのためこちらの上司に根回しもしないとならない。
こういう戦略を考えるのに、20分に一回しょうもない用事で電話が鳴ると正直邪魔だ。情報をどのように集めてどのように使うか、それは集中力がいる仕事であり、実力がなければなされない仕事だ。
本当に急ぎの用事は電話がきても仕方ない。ただ、そうでない用事はメールで良いと思う。大したことない用事はメールから3日程度で片付ける仕事、としないと、頭脳労働を阻害してしまう。
ならば、ちょっとした用事で電話をしまくる人を止めない限り全体のパフォーマンスは上がらないだろう。
電話は「本当にこの電話必要か？」と自分に3回問うてから行うべき！！！
以上
