ただ髪が切りたかっただけなのに絶望する羽目になるとは
5月のとある日曜日。
私はただ髪が切りたかった。最近は暑くなってきているため、自宅から駅まで歩くだけで結構汗をかく。だから髪を短くしたかった。少しでも涼しくなれば、と・・・短いほうが汗を拭くのも楽だしね。
では、日曜日の何時ころに髪を切るか？
やはり開店と同時、10時ジャストである。
その理由はなるべく早めの時間に髪を切ってしまえば、その後ゆったりと休日を過ごすことができるから。
だが・・・それは大きな間違いだったのだ。
私はこんな休日をイメージしていた。髪を切って、家で風呂に入る。そのあとはブログを書いてもいいし、音楽を聴いてもいいし、本を読んでもいい。バーチャルyoutuberを見てもいいのだ。ゲームも出来るし、料理をして酒を飲んでもいい。
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休日のPMになにもすることがない、「ただしたいことをすれば良いという至高の幸せ」を味わうのだ・・・と。
そんな最高になるはずだった日曜日が開始される。
起床は7時だ。そこから適当な美容院をホットペッパービューティーで予約しようとしたが、日曜の早い時間はどこも予約出来ない。なんと一軒も予約できるところがなかったのだ！！（システム的に当日の数時間先は予約受付をしていないのかもしれない）
髪を切るというのは「思い立ったが吉日」というのが通用しない世界なのだ、と改めて認識した。
ならば・・・奥の手である。「1000円カット、あるいはそれに準じるところ」である。
彼らは「空いていれば即カット」をしてくれる。
すなわち悪・即・斬なのだ。そうだ私は悪である。ついでに首も切られて然るべし・・・
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さて、動くのが苦でない範囲で1000円カットが最も豊富な地域は・・・と探してみると神奈川の「川崎駅」だった。
川崎にはQBハウスだけでも3軒あり、それ以外にいくつかの1000円or1500円などが存在している。
選択肢が4つ5つ簡単に生まれるという「思い立ったが吉日な髪カットメン」に対して、最強の地域と言えるのである。
さっそくカワサキに向かう。
その日、外に出ると空が青かった。日差しはまぶしくも湿度は低い。雲の位置も低くない。だから雲は真っ白だ。そんな強烈な白が、空の青にすごく映えていて気持ちいい。
バイク乗りだった私は空の青さを良く見ていた。その日の空の青さと雲のコントラストは年間に10日もないほど素晴らしいものだった。
いい日だな・・・なんて気楽に思っていたものだ。たらいまわしの休日になるなんて思いもせずに。
10時ジャスト。川崎の駅に到着し、1500円カットを目指す。
川崎駅隣接のアトレには「イレブンカット」なるところがある。
1000円カット激戦区のところに1500円カットが存在している、という事実に私は驚愕した。
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1000円～1500円くらいしか払わないならば、どうせなら安いほうを選ぶ人が多いんじゃないか、と思ったからだ。どうせ大してこだわりがない人が多く、安く髪が切れればそれでいい、と思っている人が大半と思う。
ならば、1000円でいいじゃん？
しかしだ、そんな中1500円で生き残っているというのは、なにか尋常じゃないものを感じた。だから向かうはイレブンカット・・・10時3分くらいだったろうか。
着いたらおったまげた。髪が伸びてアイシャドーが青くなりそうなくらい肩パットが浮き出た。そんなおったまげだ。
15人くらい並んでいる！！！！超混んでるのだ！！！！開店とほぼ同時なのに！！
と見せかけて、中に座っている人を含めると25人くらいいる！！！！！グワワワワ！！居すぎ・・・・ドワッ
終わった・・・・もう休日の午後にグラスを傾けつつルネッサンスしながら赤ワインを飲む・・・と見せかけて豪快にその赤ワインをカレーに入れてしまう！！だが、そのカレーは深みを増し、シ タ ツ ヅ ミ ！ ！という夢が終わってしまったのだ。
そうは思ったが、念のため待ち時間を聞いてみる。
店員「40分です」
私「・・・ハイ」
グワッと汗が出た。ルネッサンス汁が沢山出てしまったので、我が家に帰ったらゆっくり湯ネッサンスするんだ・・・と思うほどだ。
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受付に予約の名前は書いたものの、他の1000円カットを回って空いてたら電話を入れてキャンセルしよう・・・そう思った。
それから川崎駅近くの1000円カットを回って空いているところがないかを探す旅が始まった。
①川崎駅東口の地下「アゼリア」に1000円カットがある（QBハウス）
着いたら10時10分あたりだったからか、外に10人程度、中に5人以上は並んでいるように見えた。
なんだこの行列は！！外れか・・・と思い、次の1000円カットに向かう。
②川崎駅西口に隣接されているショッピングモール「ラゾーナ」に1000円カットがある（QBハウス）
着いたら10時17分あたりだったからか、やはりそうとう行列・・・やっぱり20人待ちあたりだ。
世の中に絶望してくる。
ただ髪を切りたいのに、20分～30分も当たり前に待たないとならないのか・・・と。
③川崎駅西口からちょっと離れた「ミューザ川崎」に1000円カットがある（QBハウス）
着いたら、10時23分あたりだろうか。やはり外まで行列が出来ていて、中にも10人は座っている。
もう終わりだ・・・・神なんていない。髪すら思い立ったが吉日で切ることが出来ない世界なのだ。
結局、川崎のビックカメラで時間をつぶしつつ、最終的にイレブンカットに入ったのだった。
結果的に40分待って1500円で髪を切るという格好だ。
都市部の人口飽和はいくらでも叫ばれているが、満員電車もそうだし、川崎ラゾーナの一部の混み方というのはちょっと異常なものを感じてしまった。
そして、20分～30分の待ち時間を待つのを苦痛と感じてしまうほど追い込まれている自分に更に絶望してしまうのだ。
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翌日になったら仕事がある・・・・そのプレッシャーから休日は少しでも早く「自分タイム」に入ってストレス解消をしてリラックスして疲れを癒さないと、翌週のストレスに耐えきれないと無意識に思い込んでいるのだ。
どう考えても私はおかしいと思う。本当はすぐに転職をしなければならない精神状態なのだろう。
頭がチャンチャラおかしいぜ！
ちなみに1500円カットのイレブンカットの評価はというと・・・
「地雷店員が少ない」という印象だった。
1000円カットは明らかにセンスとか時代がやばいでしょ、というオジイチャンが大体一人はいる。
それは本当に動きを見ただけでおかしいとわかるし、出来上がった人を見ると「うわー」と思うレベルなことが多々ある。
だから1000円カットのちょっとの待ち時間、その人に当たらないように祈りながら待つのが定番なのだ。大げさと思うかもしれないが、皆さんご近所の1000円カットに行けばわかると思う。私としては1000円カットの常連には地雷店員の話で盛り上がれる自信がある。
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しかし、イレブンカットはちょっとすごかった。
パッと見だが「明らかにやばそう」と思う美容師がいないのだ。誰しもそれなりな身なりで、オシャレな髪形をしている。全体的に年齢層は若い。
おそらく経験を積みたい若手が地獄のように髪を切りまくり、それを美容師としての修行にするのだろう。勝手に私はそう解釈した。
カットも割と丁寧で、しっかり要望も聞いてくれる。
「それならばこうではどうでしょう？」とも聞いてくれる。大したものだ。空いているならば次回も行くだろう・・・・そう思わせるほど500円を上乗せして払った差は大きかった。
が、イレブンカットは絶対に混んでいると思うので、有給休暇を取ったがすることがないだとか、どこかの工場から直帰で早めに帰れたりしたら利用するのだと思う。
しかし、本当に激安カットとか混みすぎだろ・・・
以上
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