バイクの免許取得が私の転機だ②教習が開始された
親の反対を振り切って、20代中盤だった私はバイクの免許を取りに行く。何か夢中になれるものが欲しかった。何かに熱くなりたかったのだ。
家から自転車で10分のところに免許の教習所がある。その教習所は大学受験に失敗し、浪人時代に絶望に打ちひしがれながら取得した車の免許以来の訪問だ。受付が可愛かった気がするが、もう6~7年は経っているので、その人はいないだろう・・・
と思いきや!!!
やっぱり当たり前に可愛らしい受付ちゃんはいない。
入所手続きをし、お金を振り込み、次回教習の予約をする。適性検査などを受けたかどうかは忘れてしまった。どうだったか・・・
そして、初めての教習の日が訪れる。バイクの教習で何をするのかまったくわからない。長袖・長ズボン・手袋を持ってくることだけ指示されていた。
バイクとなると教官は超怖いのか!?なんてちょっと恐れていたが、「声のよく出る元気な教官」だった。
ちなみに、もう一人別の人達を教える教官がいたが、なんとその教官は「声のよく出る元気な教官」だった。
教官のキャラが被っている・・??没個性め!!!とは別に思わなかった。声は重要なのだ。
教習がスタートとなる。
教習所で最初に習うのは「バイクを起こす」ということだったと思う。
私は20数年生きていながらバイクは自転車のようなものだと思っていた。軽くて自在に操作出来て、軽々と持ち上がる・・・そんな風に思っていた時期もありました。
教習所のコースの本当に端っこにて・・・教官がバイクを地面にゆっくりと倒す。
教官「これをこう起こす!!」
教官「ふふん」
教官はいとも簡単に起こしてみせた。私も体格はあるほうだし、いうならばそこそこパワー派だ。MMORPGならばタンクか物理アタッカーになるだろう。
バイクなんて自転車のようなものでしょ?楽勝だぜ・・・・
私「うおおおおおお」
私「グゴゴ・・・」
クソ重いのだ。話が違うというくらい重い。というかバイクは思ったよりも遥かに大きい。
倒れているバイクのハンドルを持って、ひょいっと下から上に持ち上げるのではまず持ち上がらない。
タイヤを軸としてサドルというかシートに体をめりこませるようにしながら、鬼スクワットで斜め前に体ごと進む、というのが正しい起こし方のような感じだ。
めちゃくちゃ重い。
バイク女子は持ち上がらず、教官が一部手伝ったりしているほどだった。
自分「こんなゴツイのかよバイク・・・操れるのかこれ・・・・」
結構な不安がよぎった。バイクは見た目も思ったよりかなり大きい。
続いて教官の後ろに乗り、バイクの挙動を体感で学ぶ。教官がアクセルをひねると、グワっと加速をする。
飛行機が離陸する前、強烈な加速をするような感覚。
それを生身で人のバイク操作にまかせるのだ。正直怖い・・・と思いつつ、信じられないくらい楽しかったのだ。
教官「次は君の番だ!1速しか使わないから半クラと発信だけやる!クラッチを握りギアを1速に!」
自分「ラジャー」
ラジャーとは言わないが、そんな気分だった。何かが始まるような気がした。
本当に動くのか・・・こいつ・・・
アムロがガンダムに初めて乗ったときもこんな感覚だったんだろうか。
ギアは右足の足元。クラッチは左手のレバー。マニュアル式バイクの左レバーはブレーキではなく、実はクラッチだった!
右手=アクセル
右手レバー=フロントブレーキ
左手レバー=クラッチ
左足レバー=リアブレーキ
右足レバー=ギア(上に上げるとシフトアップ、下げるとシフトダウンだ)
※ちなみにバイクの左手のハンドルは右手のように回らない!!
アクセルをある程度開きながら、クラッチをゆっくりと開けていく・・・
ガクンガクン、ガガガッ・・ズン!
エンストである。MT車教習のときに何回かやらかしたガクガク感だった。
教官「アクセルもっと開いても大丈夫!このくらいの音を意識してくれ!4000回転くらいだ!」
自分「ラジャー」
ブオー・・結構音でかいな、と思いながら4000回転まで空で回し、クラッチをゆっくりと繋ぐ。
バイクが進む!!!
クラッチを完全に繋ぎきる・・・エンストしない!!!
斜め前の教官が呼ぶ。
教官「付いてくるんだ!」
アクセルをもっと開けると甲高い音が鳴り、スピードがあがっていく。
なんというワクワク感。手の操作一つで200㎏はある鉄の物体が動いていくのだ。アクセルを捻るとスピードがリニアに上がる。
そうして、円形のコースを1速で回って教習は終わったような終わらなかったような。
10年経っているので記憶が曖昧だが、ギアチェンジは一日目でやったんだっけか覚えていない。
そしてバイクの教習は驚くほど速いペースで進んでいった。
naval.hatenablog.com
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以上
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